今回はリスニングの勉強法についてお伝えしたいと思います。
高校時代、恩師との出会いで英語が好きになった私は、大学生になっても英語だけは勉強すると心に誓っていました。いざ、大学に入り勉強を本格的に開始しましたが、当時は典型的な受験英語しか勉強しておらず、入学試験にリスニングが含まれている大学も少数でしたので、リスニングは大の苦手でした。
それでも今は、ネイティブ向けのポッドキャストや海外YouTuberの動画を楽しめるレベルにまで実力を上げることができました。(自分の実力に全く満足はしていません。死ぬまで勉強は続けるつもりです)
そんな私が実践してきた勉強で、効果があったと思えるものをここで紹介したいと思います。有名な勉強法も紹介していますが、日本ではあまり知られていないリスニング素材もご紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
シャドーウィング
これはとても有名な勉強法です。聞こえてきた英語の音声に対して、影のように後からついてリピートしていく勉強法です。王道の勉強法なので、一度は実践したことがある方も多いのではないでしょうか。
王道だけに、効果は絶大です。特に以下の点で英語力の向上が見込めます。
- 発音の向上
- 英語の語順や音への慣れ
まず1に関してですが、流れてきた音声を徹底的に真似ることで発音が向上します。発音は日本人の多くが苦手としていますが、シャドーウィングによりネイティブ発音にかなり近づけることができます。
ポイントは自分の発音を録音して、本物の英語と聞き比べることです。実際の音声と異なるところは、何が違うのか、なぜできなかったのか原因を追究していきましょう。
このように「原因分析→練習」という流れを何度も何度も繰り返すことで、限界まで発音を磨くことができます。学習の初期段階で正しい発音を身につけると、今後のすべての英語学習がスムーズに進むようになります。最初できちんと苦労して、正しい発音を身につけておきましょう。
また、2についてですが、練習を続けていく中で英語をたくさん発声することになるので、英語の語順や音の流れに慣れることができます。この慣れが、後々スピーキング力に活きてきます。
私の経験では、大学時代に一つの教材を2年間かけて徹底的(800周ぐらい)にシャドーウィングしたことで、リスニング力の基礎力をつけることができました。この勉強を終えてから、英語の音が耳に引っかかって聞こえる感覚が生まれました。
オススメ書籍
シャドーウィングのやり方は簡単なのですが、漫然とこなしていても効果は期待できません。そこでオススメしたいのが「究極の英語学習法 K/Hシステム(基本編)」という書籍です。
この本では、「英語を習得するのは簡単ではない」という前提のもと、スパルタ方式でシャドーウィング勉強法を解説してくれています。K/Hシステムのシリーズはいくつかありますが、基本編が最も丁寧だと感じています。この本通りに学習を継続していけば、大きな階段を登ることができます。
完璧にシャドーイングできるようになるまで何回でも繰り返しましょう。100回で足りなければ500回、それでも足りなければ1,000回という具合に量をこなしていきましょう。
繰り返しになりますが、英語の勉強はできるだけ早い段階で苦労しておきましょう。最初で手を抜いてしまうと、成長スピードが遅くなってしまいます。何事も最初が肝心です。
ディクテーション
この勉強法も有名ですね。聞き取った英語を全て書き出していく勉強法です。一切の例外なく、聞き取った英語を全て書き出していきましょう。とても骨の折れる学習法ですが、効果は絶大です。
私もこの勉強で英語力に革命が起きました。勉強を始めた当初はリスニング力が全然なかったので、ディクテーションしながら「英語って本当に学校で習った文法通りに話されてるんだな。」と思った記憶があります。
それぐらいリスニングというのは、日本の大学受験を経験した人には無縁です。ディクテーションはごまかしの効かない荒療治ではありますが、初級者や中級者が短期間で実力を伸ばすには最適な勉強法です。
大まかに意味は理解出来るけど、細かいところが分からないという人には、かなり効きます。スクリプト付きのリスニング教材を使い、全ての英語を書き出しましょう。穴埋め形式になっている教材もありますが、やはり全部書き出す勉強法に勝るものはないです。
どうしても聞き取れない箇所は、カタカナで良いので書いておきましょう。そして、答え合わせの際にスクリプトと見比べ、何を間違えたのか、なぜ間違えたのかを探っていきましょう。
ディクテーションとシャドーウィング。どちらも王道の勉強法です。両方を学習に取り入れ、リスニング力を高めていきましょう。
Friends(海外ドラマ)
ここからは、おすすめのリスニング教材の紹介になります。
まずは海外ドラマの「Friends(フレンズ)」です。かなり有名な海外ドラマなので、ご存知の方も多いと思います。フレンズの面白さは何といっても軽快なテンポで進んでいく会話と、笑える要素満載の登場人物。
それぞれがメチャクチャ強い個性を持っており、とにかく視聴を楽しく続けることができます。まずは1話で良いので、見てみてください。私も全シーズンをDVDで購入して、全てのエピソードを見ました。
当時は就職先も決まって時間もたっぷりある時期でしたので、文字通り一日中ドラマも見ていました。恐らく毎日6~8時間ぐらいは見ていた気がします。
半年後、リスニング力はかなり向上していました。(もちろん、ここで大きく力を伸ばせたのは、今までに紹介したシャドーウィング、ディクテーションで基礎力をつけていたからです。)
基礎力をしっかりと身につけてから、海外ドラマなどで多聴すると効果は抜群で、実力を一気に伸ばすことができます。
このドラマは日本でもかなり有名で、大きな人気を誇っています。日本語の解説サイトもたくさんありますので、分からないことを検索すれば答えが見つかる可能性は高いです。
分からないことはそのままにせず、一つひとつ潰していきながら勉強を進めましょう。
Homeland(海外ドラマ)
躁鬱病(双極性障害=bipolar disorder)を抱えるCIA調査官と、テロリストとの戦いを描いた作品です。特にシーズン1-3の流れは完璧で、どんな人でも惹きつけるほどの面白さがあると確信しています。
評価もかなり高く、米テレビ界最高の栄誉とされるエミー賞を受賞しています。
エミー賞に輝くのも納得のストーリーですが、それよりも私は主人公のキャリーを演じるクレア・デインズの演技力に度肝を抜かれました。特に躁状態の演技は圧巻で、本当に演技でやっているのかと疑いたくなるほど、ある種の恐ろしさを感じるほど、見事に演じ切っています。
英語の勉強のために見ていましたが、内容がとても面白かったので、イッキ見してしまいました。様々なドラマを見てきましたが、今まで見た中でダントツ1位で面白いドラマでした。
「Homeland(ホームランド)」は好き嫌いの別れる作品でもありますが、興味を持たれた方は是非、見てみてください。
Business Wars(ポッドキャスト)
最近メインで聞いているのが、Wondery(2020年にAmazonに買収)というpodcast専門の番組が出している「Business Wars(ビジネス・ウォーズ)」です。これはもう、最高に面白いエピソードが勢ぞろいしています。クオリティが高すぎて、壮大な映画を見ているような感覚になります。
タイトルの通り、ビジネスにおける企業同士の戦いを描いたポッドキャストです。テーマは本当に多種多様で、歴史上の有名なビジネス戦争がストーリー仕立てで展開されていきます。
例えば、任天堂とソニーのゲーム機器の覇権を争う戦い(Nintendo vs Sony)、トヨタとホンダの自動車市場をめぐる戦い(Toyota vs Honda)が収録されています。ネイティブ向けに作られたポッドキャストですが、日本人にも馴染みのあるエピソードが収録されています。
他にもアップルとマイクロソフトの戦い(Apple vs Microsoft)、インスタグラムとTikTokの争い(TikTok vs Instagram)、暗号資産をめぐる戦い(Crypto Wars)など、誰でも興味を持てる話題が取り上げられています。
中でも私のオススメは、新型コロナワクチン開発競争のエピソード(Vaccine Wars)です。全世界に未曽有の影響を与えた新型コロナウィルスですが、ワクチンがどのように開発されたのか興味はありませんか?
日本国内では8割以上の人が1度はワクチンを接種しているとされていますので、ほとんどの人に関係のある話題になります。
ひとつ聞けばハマること間違いなし!
このポッドキャストはそれぞれのエピソードで、ある一人の人物にフォーカスして話が進んでいきます。ストーリーの組み立て方が見事で、言うなれば耳で聞く歴史映画です。
没入して聞き入ってしまいますので、是非Business Warsも教材の一つに加えてみてください。
American Scandal(ポッドキャスト)
同じく、Wonderyが出しているpodcastです。「American Scandal(アメリカン・スキャンダル)」に関しても、もう言うことはありません。
歴史上で核戦争に最も近づいたと言われるキューバ危機(The Cuban Missile Crisis)、アメリカ史上最大の汚職事件と言われるウォーターゲート事件(Watergate)、ベトナム戦争の闇を暴いたペンタゴン・ペーパーズ(The Pentagon Papers)、クリントン前大統領とインターン生のモニカ・ルインスキーとの不倫事件を描いたエピソード(The Clinton-Lewinsky Affair)など、歴史上の事件・スキャンダルについて、素晴らしいクオリティで話が展開されていきます。
私のオススメは、エドワード・スノーデンのエピソード(Edward Snowden)です。全世界のインターネット・電話のやり取りを、アメリカ政府が長きにわたって監視していたことを暴露した事件ですが、どのようにしてスノーデンが機密情報を持ち出したのかを語っているシーンは、最高です。
手に汗を握りながら、時間も忘れて聞き入ってしまいます。これだけ面白く、これだけ長く聞き続けているポッドキャストは他にありません。心の底からお勧めできるポッドキャストです。
ネイティブ向けに作られているため、多彩な英語表現にあふれています。英語学習は継続が最も大切ですが、無理なく続けられる面白さがこのポッドキャストにはあります。
是非、聞いてみてください。
Jacksepticeye(ゲーム系YouTuber)
今回の記事でご紹介する最後のリスニング素材になります。皆さんはYouTubeでゲーム実況を見たことがありますか。日本語で見るのも良いですが、英語の勉強のために海外のゲーム実況に挑戦してみてはいかがでしょうか。
最近のゲームはストーリーも映像も素晴らしいものが多いです。さらに、実況者を好きになることができれば、どんどんと英語を吸収することができます。
そこでオススメしたいのがJacksepticeyeです。アイルランドのYouTuberですが、実況の内容やゲームへのリアクションがとても面白く、何時間でも見ていられます。
登録者が3,000万人近くいる世界屈指のYouTuberですが、日本ではあまり知られていません。数ある動画の中で、超おすすめは「Detroit: Become Human(デトロイト・ビカム・ヒューマン)」です。
一部では神ゲーと呼ばれるほど完成度が高いゲームで、私もどハマりしてしまいました。登場人物の運命がプレーヤーの選択に左右され、それに応じてエンディングも大きく変わってくるゲームです。
あらすじ
西暦2038年のアメリカ・デトロイト。科学技術の発展により人間の生活をあらゆる面から支えるアンドロイドが製造されていた。従順なアンドロイドは生活に不可欠となる一方、人間の仕事を奪い失業率を上昇させたことで、排斥運動も一部で見られるようになっていた。ある日、アンドロイドが所有者を殺害し、その娘を人質に立てこもる事件が発生。この事件をきっかけにアンドロイド達の運命が大きく変わっていくことになる。
ゲームも英語、実況者も英語でしゃべり倒してくれるので、英語を大量にインプットするには最高の教材になります。
最後に
私が行ってきた勉強方をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。現代では無料で英語に触れられるコンテンツがそこら中に溢れています。
英語の勉強は継続が命ですので、純粋に楽しいと感じられるものを使ってみて下さい。
今回紹介したものが皆様の少しでもお役に立てば幸いです。
今回は以上となります。最後まで読んでいただきありがとうございました。